私は5年以上前に1年間上海に住んでいた事があります。
そして上海には大量の地方出身者が出稼ぎで上海に来ているのを見ました。
上海に暮らしてみてわかったのですが上海人と出稼ぎの地方出身者では結構大きい格差があります。(もちろんお金持ちで上海に来ている地方出身者もいますが)
今回は上海での上海人と地方出身者の違いについて述べて行きます。
身なりが違う
まず一般的な上海人と地方出身者では身なりが異なります。
上海人の多くはオシャレで奇抜な服を好き好んで着ている印象でした。初めて上海人を見ると垢抜けた印象を受けます。
一方で地方出身者は異なります。私はよく上海火车站(上海駅)で大量の地方出身者を見かけたのですが、彼らはサイズ違いの着古した服を着ている傾向があります。そしてスーツケースも一昔前の古いタイプのものだったりします。
身なりで判断するのは本当に失礼でこの記事を書いていて申し訳ないのですが上海に行ってみると一目瞭然です。
中国は格差が大きいことを見た目でも感じることができてしまいます。
戸籍が異なる
上海人と地方出身者では戸籍が異なります。
日本人からの感覚からすれば役所で届出を出して住民票を移せば良いじゃんと考えるかもしれないですが、中国では状況が異なります。
中国では沿岸部の大都市(上海、北京、深圳等)は発展していて、内陸部の地方都市とは大きな違いがあります。
そのため職の機会も大都市には多くあるため地方出身者は自然に上海などの大都市に流入してしまう傾向があります。
政府はそれを規制する目的で地方出身者は容易に戸籍を変えることはできないようになっていて、元々の上海人とでは戸籍で区別をされるようになり地方出身者は教育や社会福祉の点で不利な立場に置かれます。
地方出身者の家庭の子どもは例えば上海の学校に通うことも制限されます。
最も驚いた点は、大学入試の際に上海などの大都市には有名な大学が地方に比べてたくさんありますが、地方出身者の高校生は枠が制限されていて上海では地方出身者の高校生は上海出身者以上に高得点を出さないと同じ大学に通うことはできません。
これはまるで上海と言う都市国家があって海外からの出稼ぎ労働者を低賃金で雇っている構図と似ているような気がします。
就職でも差が出る
上海人と地方出身者では職種も異なります。
地方出身者の多くは店員の仕事
上海にて生活すると気がつくのですがコンビニ、レストラン、ショッピングセンター等の店員はほとんど地方出身者です。またブルーカラーの仕事に従事する人も地方出身者です。
日本では店員の仕事は学生やパートのアルバイトが行うことが多いかもしれないですが、上海では店員の仕事は地方出身者の仕事と言うイメージできあがっています。(もちろん学生、パートの人もいるかもしれませんが…)
私が上海にいた頃上海人の友人ができたのですが、彼曰く「上海人はメンツがありほとんど店員のような仕事は選ばない、もし選ぶとなると最低でもスターバックスの店員のようなオシャレな店員だ」と言っていました。
上海語ができないと営業ができない
上海で仕事をしている時に気がついたのですが客先が上海人の場合は上海人の営業を受け入れる傾向があります。更に上海人である証として上海語が公用語として用いられます。
北京語ではなく北京語と外国語くらい離れている上海語が好まれます。
地方出身者の営業部員だと顧客と良い関係を築いていくのが難しいです。
私は上海で仕事をしていた時に、中国人の業務担当と一緒に客先周りをしたことがあるのですが、その中国人スタッフは母親は上海人ではあるのですが、上海語が話せなかったので、顧客から微妙な反応をされたことを今でも覚えております。
地方出身者が上海で仕事において勝ち上がって行くのはとても難しいです。
まとめ
以上、上海での上海人と地方出身者の区別に関して紹介しました。
中国では日本よりも10倍以上人口が多く、多くの中国人が見えない格差で苦しんでる状況を目の当たりにしました。
上記に述べたように上海は一つの都市国家のようで、上海人によって成り立ち、地方出身者は出稼ぎで来た外国人のような低い待遇で生活することを強いられています。
中国語を勉強している、中国に興味がある方もいると思いますが、中国ではこう言った日本では考えられないような事実があることも知っていただけますと幸いです。
コメント Comment