英語も中国語も使用人口の多さからどちらも将来需要が見込まれる言語です。
そこでこれから勉強するべきなのはどっちの言語なのか気になる方もいるかもしれません。
また、語学習得の難易度は高いのはどっちか、就職で役立つのはどっちか、英語はできなくても中国語はできるようになるのかなど、気になる事がたくさんあるかもしれません。
私は英語も中国語も勉強をしたことがあり、TOEICで920点を取得して、また中国語ではHSK5級(202点)を取得しております。
また、現在メーカーの海外営業部に所属しており会社としては英語圏の市場、中国語圏の市場をターゲットとしているので、英語・中国語の需要についてある程度は理解していると自負しております。
私の語学学習の経験や所属する会社の動向から英語と中国語のどちらの言語を勉強した方が良いのかについてお話をします。
英語と中国語の発音の難易度の違い
英語と中国語の難易度の違いについて述べるのですが、特に中国語に関しては発音に特徴があり、発音の観点から英語と中国語の違いをお話しします。
英語における日本語にない発音
英語の発音では以下の様な点が日本人学習者には難しいです。
- lとrの発音の仕方の違い
- rの伸ばす巻舌
- b, p等の子音を強調した発音(破裂音)
- 発音上での音の変化による難しさ 例: アメリカ英語ではtは単語の中で出てくるとdのような発音、waterはウォーダーのような発音になる
英語はtの音がdに変化したりalphabet通りに発音されなかったりrの発音が難しかったり、かつ破裂音もあり肺活量も必要で日本語にはない特徴がたくさんあります。
もしnativeのような完璧な発音を求めようと考えるのであれば難易度は高いです。
しかし最悪カタカナ英語でも英語の場合は通じてしまうことが多く、また日本人のアクセントがセクシーと感じる外国人も多いので、人の好みにもよりますが、そこまで完璧な発音を求めなくても良いかとも思います。
中国語における日本語にない発音
一方中国語の発音では以下の点が発音が難しいです。
- 四声 四声(平な音、下から上に上がる音、下に止まっている音、上から下に下がる音の四つの声調)が明確に分かれており、もし完璧に分けて発音ができないと誤解して伝わってしまいます。例:汤(スープ)と糖(砂糖)はどちらも同じtangの発音ですが、声調が違います。レストランの注文で砂糖を頼んだのにスープが来たと言うのは良くある話です。
- lとrの発音 中国語でも英語と同様lとrの発音はどちらもあり、日本人にとって学習するのは難しいです。日本人(ribenren)、林(lin)というようにlとrどちらもあります。
- ピンイン(ローマ字の中国式alphabet)の中のsh, zh, ch等の子音発音 これらはrの巻舌の音が加わって重く発音がされます。
- ピンインの中の母音の発音 sheとshiの違い、zhangとjiangの違い等似ているけど明確に違う母音がたくさんあり最初母音を勉強する時に苦労します。
中国語では四声とピンインの習得が難しく多くの日本人学習者が挫折をしてしまいます。それに加えLとRの発音の違い、Rの巻舌の音のように英語と共通で難しい発音もあります。
英語と中国語はどちらが発音の習得が難しいのか
上記の通りリスト化して、英語と中国語それぞれの発音の難しい点について紹介をしましたが、両方勉強した感触として中国語の方が発音に関してはより難しいです。
やはりalphabetのそれぞれの子音、母音の特徴を英語も中国語もつかまないといけませんが、中国語の場合更に四声の区別も学ばなければなりません。この四声は上記の通り間違えると中国人に聞き取ってもらえなくなり、最初は覚えるのに苦労します。
中国語に関しては独学で四声、ピンインを完璧にできるようになろうとするのは本当に至難の業です。
大学で授業を受けたり、語学学校に通ったり、中国語会話のオンラインレッスンを受講したり、中国人、台湾人の友人を作ったり、正しい発音かどうかを判断してくれる人がいたほうがおすすめです。
私は仕事の都合で上海に滞在したことがありその時語学学校に通って習得しました。また帰国後は台湾人の言語交換する相手を見つけたり、中国語会話のオンラインレッスンを受講して単語ごとに正しい発音に矯正してもらったりしています。
発音以外の文法・単語の難易度の違い
私の話を聞いて中国語学習をあきらめてしまおうと考えた人もいるかもしれません。
しかし中国語初学者にとって朗報があります。
確かに中国語の四声とピンインを習得するのは難しいですが、もし初級の段階でこの特徴をマスターしてしまえば、文法と単語の習得は英語よりも圧倒的に楽です。
文法に関して
文法に関して言えば、英語での動詞の変化が中国語にはありません。
例えばstudyは三人称の場合 「studies」、現在形 「studying」 過去形・受身形 「studied」のように動詞の変化があり客観的にみて覚えるのが大変です。
一方、中国語に関しては適切な漢字を追加してしまえばまかなってしまいます。
たとえば現在形は「在」を追加、過去形は「了」や「動詞の後に过」を追加、受身形は「被」を追加するなどです。
例文
現在形:我在学习中文(私は現在中国語を勉強している)
過去形:我昨天学习了中文(私は昨日中国語を勉強した)
受身形:大学的时候,我被学习中文(大学の頃、中国語を勉強させられた)
適切な漢字を当てはめれば良いので、文法はかなり楽に感じます。
単語に関して
中国語の単語に関しては日本語との共通の単語がたくさんあります。
なのでそれぞれ漢字の発音さえ覚えてしまえば、それをそのまま使用すれば中国人に通じてしまいます。
結果→结果(ジエグォ)
学習→学习(シュエシー)
経済→经济(ジンジー)
また共通でなくとも意味が推測できそうな単語もあります。
制限→限制(シェンジ)
歯科→牙科(ヤクァ)
お茶を飲む→喝茶(ハーチャ)
完全にとは言わなくても類推によって意味が理解できてしまうのは、日本語にある漢字のお陰であると感じております。
そういった意味で中国語の単語は覚えやすいです。
発音の登竜門を超えてしまえば後はジェットコースターを乗る様に単語、文法をスイスイと習得できていってしまう印象です。(もちろん単語を果てしなく覚えていく作業がありますが)
結局英語も中国語もどちらも習得の難易度は同じくらい難しいですが、発音を究めることができたのであれば、あとは比較的楽になるので中国語の方が長期学習においては難易度は低いと言えます。
英語と中国語はどちらを習得した方が就職に有利なのか
英語と中国語で習得の難易度に違いがあることについて説明してきましたが、もしどちらかの言語を習得したとして、就職に有利なのはどちらなのかについて述べていきます。
英語の方が圧倒的に需要が大きい
英語と中国語を比較してみると圧倒的に英語の方が需要があります。
それは致し方ない事なのかもしれません。
人口比で考えると
日本以外のどの国でも英語と言うのは国際的な言語として認知をされていて現に英語人口はnative話者3億人と非native話者17億人と言われていて、合計20億人以上の話者がいると言われています。
一方で中国語話者は中国での14億人と台湾、シンガポール、華僑、非native中国語話者を含めてプラス1億人ぐらいでしょうか。(合計15億人程)
世界的に見て英語話者の方が人口比では多いです。
海外に向けてビジネスをするにしても英語の使用頻度が高いのは致し方ありません。
私の海外営業部での職場では
私は現在メーカーの海外営業部に所属をしていますが、ざっと周りを見渡すと皆英語に堪能な人が同部門に在籍しています。
そして中国、台湾地域を担当している人もいますが主に英語を使って現地取引先と日々やり取りをしています。
英語は国際言語なのでたとえ取引先が中国、台湾であったとしても英語が喋る確率は高く、もしできなくとも日本語が代わりに話せる人もいると言う事で特別中国語ができないといけないと言うことはあまりありません。
やはり英語ができれば中華圏の地域もカバーできますが、むしろ中国語しかできないのであれば、中華圏以外の地域を担当になることはできません。
私の様なメーカーにおいては英語の方がどちらかと言うと多く需要がありそうです。
中国語が話せる人材の希少性
上記の様に英語の方が圧倒的に需要が大きいと言うことを説明したのですが、
では中国語は需要がないのかと言うとそうでもありません。
中国に進出している日本企業
帝国データバンクの調査によると日本では1万2000社もの会社が中国にオフィス、工場があったりと進出をしています。
参考URL:
なおかつ、中国語が話せる日本人は希少性があります。
英語が話せる日本人と比べて、中国語が話せる日本人は圧倒的に少ないです。
そして求人を見てみるとメーカー、商社を中心に常にビジネスレベルの中国語が話せる人材を募集しているのを見かけます。
もちろん、日本語、中国語が両方できる中国人、台湾人を雇う企業も多いですが、日本人にこだわる企業もあります。
私の職場でも中国語がビジネスレベルで話せる人材は重宝される
先ほどは私の所属しているメーカーでは英語が求められることを強調しましたが中国語の需要もあります。
私の会社ではやはり会社の製品を販売したり技術的なサポートをする際に、現地の言葉(中国語)を話せた方がより顧客に対して詳細に行うことができると考えます。
現地の人に寄り添って販売活動を行うことができるので、販売の成績にも良い影響をもたらすことができます。
中国語ができる事で少なくとも私の所属するようなメーカー、商社では重宝されます。
ただしビジネスレベルまでの中国語は少なくとも求められます。
日本におけるインバウンド需要
コロナウイルスの状況が徐々に落ち着き2022年11月の訪日外国人の数は約90万人と言われていて、その中でも台湾人は10万人近く日本を訪れています。
中国人は2万人ほどですが今後さらに状況が改善すると、今の円安(日本国内の物価が安い)の状況が続くのであれば中国人も多く日本に入国することとなり、ホテル、観光などのインバウンドビジネスで中国語が必要になる機会はますます増えると考えます。
中国語と英語どちらを勉強するべきかのまとめ
けっきょく中国語と英語のどちらを習得するかについてはどちらも難易度は高く、またどちらを習得しても就職においては役に立ちます。
ただ長期的な習得の難易度、希少性から考えると中国語を習得する方に若干軍配が上がるかもしれません。
結局、各人の好みで決める事が良いのかなとも考えました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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