貿易事務の仕事は語学を使う仕事のようだけどどう言った仕事なんだろう、と疑問に思う方もいるかもしれません。
私は現在メーカーの海外営業部に所属していて6年ほど営業を担当していますが、営業ではなく貿易事務の方に従事していた時期もありました。
今回は私が当時行っていたメーカーでの貿易事務での輸出業務の流れと内容について紹介します。
主な輸出貿易事務の内容
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メーカーでの輸出の貿易事務の仕事は主に以下の通りです。
- 海外現地の客先からオーダーを受け取る
- オーダーの内容を元に製造元や外注先に発注
- 客先への確定納期の通知、送金依頼
- オーダー毎の納期管理
- 出荷書類(Invoice, Packing list 他)の作成
- フォワーダーへの製品の製品出荷の依頼
※会社によっては流れが異なるかもしれません。
私の会社ではこの流れの処理を同時並行でたくさん行っていくのが貿易事務の仕事でした。
以下、それぞれの内容について具体的に述べて行きます。
現地客先からオーダーを受け取る
私は貿易事務をしていた時はインドを担当していたので、インド客先から製品の受注があって仕事の流れが始まります。
受け取った注文書には具体的にオーダーする製品、数量、合計金額等が書いてあります。
そして注文書には必ずと言って良いほどTerms and Conditions (注文に関する規定)が書かれています。そこには取引条件、支払条件、要求納期、保証期間、納期が守れなかった場合の罰則等が書かれていて、これらの内容は担当営業の人にこの内容で了承して良いのか確認しなければなりません。
インドの場合、不可能な要求納期が書かれていたり結構読み飛ばすと後々大変になる内容が多く書かれています。
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注意深く担当営業と注文を受け入れて良いのか確認する必要があります。
また記載されている注文金額についても受け入れて良いか担当営業と確認します。
オーダーの内容を元に受注計上、発注作業
上記のオーダー内容の確認を行なって問題なければ、このオーダーの受注計上を上げます。
それにより営業担当は営業実績としてカウントされます。
その後、オーダーの内容を元に製造部門、外注先に発注作業を行います。
この時に気をつけないといけないのは発注内容の記入ミスです。
細かい型式をミスなく正確にシステムに入力していきます。
私はこのシステムへの入力作業で製品型式を間違えて入力してしまったことが何回かあり、後々経緯説明書で報告する羽目になってしまいました。涙
客先へのオーダー受領書の提出と納期通知
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製造部門や外注先から納期を教えてもらったら、オーダー受領書を客先に渡し、納期の通知を行います。
このオーダー受領書では、注文書で書いてあったTerms and Conditionsで受け入れられない部分、要望を記載します。
私がよく行なっていたのは、コロナで半導体不足が起こり要求納期に間に合わせられないから、不可抗力条項(force majeure)という疫病が発生した時は納期遅延の罰則を免れることができる条項を適用させてほしいと要望を書いて、オーダー受領書を提出していました。
また、ここで前金のオーダーに関しては支払いのための請求書(Proforma invoice)を作成して客先に提出していました。
オーダー毎の納期管理
複数のオーダーを同時並行で処理をしていくためリスト等で管理していく必要があります。
私が貿易事務をしていた時は毎週インド人の物流担当と電話会議を行い、オーダーの状況について意思疎通を図ることを行なっていました。
この電話会議でインド人からこのオーダーはもっと納期を早くしてほしい等様々な要望がくるのでそれに合わせて、製造部門や発注先に交渉をしていました。
出荷書類(Invoice, Packing list 他)の作成
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製品の納期が来たら製造部門や外注先から梱包明細をもらい、その情報を元に出荷書類(Invoice, Packing list 他)の作成を行います。
基本的には過去作成した物を写して作成したら良いのですが、銀行を経由した決済(LC決済)の場合は特定の記載が必要だったり、客先との綿密な内容の確認をする必要があり、面倒な作業になります。
客先から作成した出荷書類を提出して承認を得ます。
製品出荷の準備
出荷にあたり、こちらが主導して運送会社を選ばないといけない場合(CIF, DAP 等)の場合は運送業者に出荷依頼をして出荷書類を提出して、貨物を託します。
一方客先が主導して運送業者を選ぶ場合(FOB, Exworks等)は客先から日本での運送業者を紹介してもらい、その運送業者に出荷を依頼します。
上記の依頼によりやっと製品をインド等各国に届けることができます。
代金回収の管理
出荷が完了したら今度は代金回収の管理を行います。と言うのも客先に応じて支払条件が異なるのでちゃんと期限までに支払われるように管理を行います。
この作業は会社によっては営業担当が行うこともあります。
まとめ
ざっくりですがメーカーでの貿易事務の輸出業務を行う際の流れについて紹介しました。
上記お話しした内容を複数の案件毎に同時並行出こなしていくのが普段の業務となります。
もちろん業種や会社のポリシーによって流れが異なる点は多々ありますが、大体は同じ流れになるはずです。
以上、貿易事務の仕事に対して興味を持っている方に参考になれば幸いです。
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