いよいよコロナによる制限も解除されつつあり、香港の旅行を考えている方もいるかもしれません。
そこで気になるのが香港で話される言語です。
香港での公用語は「英文」と「中文」とされているが、実際のところ英語や標準中国語(北京語)は通じるのかと疑問に思っている方も多いはずです。
私は仕事で香港に1年間滞在したことがあり、またコロナになる直前まで何度も香港に出張に行ったことがあります。
今回は私の経験を元に英語、標準中国語(普通話、北京語とも言う)は通じるのかについてお話します。
公用語は英語と中国語
香港が中華人民共和国に返還された後(1997年以降)は香港の行政・立法・司法の場において用いることができる公用語は英文と中文とされています。
なので英語と標準中国語(北京語)が両方とも行ける、と考える方もいるかもしれませんが事情が異なります。
香港を含む中国の広東省地域では広東語が事実上の公用語として話されています。
広東語と標準中国語(北京語)とは違う?
広東語は中国語の方言の一つとされていますが、日本人の考える方言とは異なります。
広東語と標準中国語は外国語と同じぐらい違いがあり、それぞれの言語での意思疎通は不可能です。
例えば標準中国語で「ありがとう」は「谢谢シェシェ」と言いますが、広東語では「唔該ン ゴイ」もしくは「多謝ドーツェ」と言います。
「ありがとう」の言い方1つだけとってもこれだけ言い方が異なります。
しかし標準中国語と広東語は話し言葉では外国語並に違いがありますが、書き言葉においてはお互いの意思疎通は可能です。
実際私が香港にいて仕事をしていた時香港人のスタッフは大陸の中国人とメールをやり取りする時に、香港で使われる繁体字(難しい漢字)でメールを中国人に送り、中国人からは簡体字(簡略化された漢字)が届くと言うことをしていました。
うまく意思疎通ができるんだと感心したものでした。
香港人が話す中国語は広東語で標準中国語とは全く異なります。
香港で標準中国語は通じるが…
香港ではイギリスから中国に返還以降(1997年以降)標準中国語での学校教育が始まり、今では多くの香港人が標準中国語を話すことができます。
したがって標準中国語さえ出来れば多くの香港人と意思疎通はできるのですが、
彼らは中国大陸から来る中国人に対してあまり良い印象を持っておらず、あまり話したがりません。
数年前に起こった雨傘運動もありますが、それより前から香港人は中国人に対して「彼らとは違う」と特別なアイデンティティを持っている人が多いです。
私も香港で標準中国語を使って話しかけたりすると英語で返事が来ることがありました。
もしくは標準中国語で話しかけることで店員に軽くあしらわれた事もあります。
香港では標準中国語は通じることは通じますが、もし英語でも意思疎通ができるのであれば英語で意思疎通した方が良い場面がたくさんあります。
香港での英語事情
香港はイギリスの元植民地であり、国際的な金融都市であり、貿易の中心港であったこともあり英語が話せる人の割合が多いです。
おそらくビジネスで出張に行く場合、旅行で観光地に行く場合はほとんど英語は問題なく通じる傾向にあります。
しかし英語が通じず苦労した場面もあって、タクシーの運転手には英語で地名を言ってもだいたい伝わりません。基本スマホで地図を見せるか、地名を書いてあげる方が良いかもしれません。
またスーパーの店員に何かを探していることを英語で必死に伝えても聞き取ってもらうことができませんでした。
おそらく貿易、金融などの仕事に従事しているような人口の50%くらいまでは英語を話すことができるが、残りの50%のそう言った英語を普段使わない仕事をしている人には伝わらないと言った感じです。
英語が伝わらないのであれば仕方がないので文筆で漢字を書いてやり取りするか、標準中国語が話せるならそっちを話すのが良いと考えます。
それでも国民の多くは英語に精通しているので、他の国に比べると英語が使えるとある程度の便利な暮らしはできます。
まとめ
香港での言語事情でお話ししました。
結論を言うと英語も標準中国語も多くの人に通じるが、どちらも万能かと言うとそうでもありません。
ただもし観光に行くぐらいであれば多くのことは英語でまかなえてしまうので英語を基本使うようにすれば良いと考えます。
以上、これから香港にいくことを考えている方に参考になれば幸いです。
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