語学ができて語学を生かせる仕事に就きたいと考えている方がの中には、
メーカーや商社の海外営業部、貿易部は求人であるけど一体どう言う仕事なんだろう、
自分に向いているのかなと疑問に思っている方もいるかもしれません。
私は現在メーカーの海外営業部に所属し6年以上営業・業務の活動をしてきました。
現在はインド地域を担当して日々インド人に対して電子機器を販売する活動を行っております。
私の6年間の経験からメーカー、商社の海外営業部に向いている人に関してお話をします。
海外営業部の仕事に関して
メーカーの海外営業部での仕事内容は以下の通りです。
- 担当地域での受注・売上を上げる
- 担当地域での製品の販売プロモーション
- 担当地域での販売代理店・客先の管理
- 担当地域のマーケティング
- 担当地域の展示会企画・設営
- 出張を通じた製品の販売活動
実際、世界各国に製品を販売する際は各国の専門的な販売代理店を通して販売する事がほとんどです。
従って海外営業部に所属した場合、日々販売代理店とのメール、電話のやり取りが主な仕事となってきます。
以下、どう言った人が海外営業部に向いているかについてお話をしていきます。
必要な英語力について
海外営業部に所属していて求められる英語力と言うのは、TOEICで言うと700-800点くらいでしょうか。
現地の販売代理店・客先に製品をアピールしたり価格交渉をしたりするのである程度の高度な英語力が求められたりします。
また扱う製品にまつわる専門的な用語もたくさん必要とされるので、それは入社してからでも構わないですが、どんどん覚えて行かなければなりません。
ただ語学が苦手な方にも朗報がありまして、担当する地域は米国・英国等のnative英語話者がいる国だけとは限りません。
私は過去にタイ、ベトナム、インドネシア、台湾、ミャンマー、パキスタン等の地域を担当した事がありましたが、すべての地域で英語を使ってコミュニケーションをとっていました。
おそらくほとんどのメーカー、商社ではアジア地域等の非英語圏の国と取引があるのではないかと考えます。
従って非nativeの英語話者と会話することの方が多いはずなので会話に自信がなくても、相手もゆっくり簡単な単語を使ってくる外国人が多いので語学のハードルはそこまで高くない様に思えます。
ただ会社、製品説明や交渉事は日々行われるので、それに適用した英語力は必要です。
異文化(人、物、食事等)に興味がある人
これはある意味一番重要かもしれません。
海外の異文化に全く興味がないのに海外営業部の仕事をしている人は、一体何のために海外営業部にいるの?と考えてしまいます。
担当した地域の生活様式、商品、食事などに興味を持っている人の方が圧倒的に海外営業部に向いています。
私は現在インドを担当していますが、インド式のカレーが苦手な人には向いていないと考えます。
私の前任の担当者もインドのカレーはあまり好きではなく、インドの取引先担当者がその前任者に対しては中華などの別メニューを用意します。
正直インド人に対して失礼だと思うし、インド人と本気の交流をしたいのであれば彼らの生活様式、食事等に積極的に触れていくことが必要であると考えております。
現に私はインドのカレーが好きなので、色々な味を楽しんでいると、現地の担当者も嬉しくなって色々な料理(カレーの副菜、マンゴーピクルス等)を勧めてきたりして、そこで交友関係を築く事ができたことがありました。
今後の取引先との交渉においても、その国の文化に興味があり交友関係が築けるかどうかは大きな鍵となります。
異文化に対して興味がないのであれば、海外営業にはあまり向いていないのではないかと感じてしまいます。
コミュニケーション能力がある人
海外営業も一般の営業職と同様にコミュニケーション能力が求められます。
やはり営業職なので様々な人を巻き込んで将来の受注に向けての活動を主導して行かなければなりません。
それはもちろん現地の取引先とのコミュニケーションもそうだし、社内での製造部門、法規部(海外に製品を販売する際の規格について扱う部署)等様々な部署と打ち合わせをして行く必要があります。
そして常に上司とは意思疎通をして、自分の権限ではできないことに関しては上司から承認を得た上で実行をして行かなければなりません。
どの職種でも共通かもしれませんがある程度の対人関係のスキルは求められてしまいます。
ちなみに私自身は自分大好きでコミュニケーションが得意な方ではないので苦労している点です。
体力がある人
海外の取引先を相手にする仕事なので体力がある人の方が良いです。
理由は海外と時差があるため会議も早朝や夜遅くになることがあったり、また海外に出張する時はかなり体力を消耗するからです。
特に海外に出張している時は、普段のメールのやり取り、見積もり提出などの業務がある中で
現地で取引先と交渉したり夕食を共にしたりするので出張期間中の睡眠時間はだいたいいつもの睡眠時間の半分ぐらいになります。
更に時差が大きい国だと時差ボケが追い打ちをかけてきます。
会社の方針によって異なりますが私の会社ではコロナ前は1-2ヶ月に1度は必ず海外出張をしていたので、
そう言った生活に適用できるタフな人の方が向いていると言えます。
楽観的に物事を捉えられる人
物事を楽観的に捉えられて、様々な状況を受け入れられる人の方が海外営業に向いています。
それは海外を相手にした取引なので常に色々な困難な状況が発生するからです。
私は海外営業部でインドを担当していますが、それぞれのオーダーの値引き交渉、新規オーダーの値引き交渉等値引き交渉のペンディング事項が溜まっていて、かつコロナによる半導体不足で製品納期が守れず、損害賠償になりそうなケースもたくさん抱えています。
結構ぐちゃぐちゃで管理がしきれていない状況ですが、人によってはこの状況に耐えられないこともあるかもしれません。
私も一時期病んでいたことがありました。
常に色々なことが同時並行で起こりますがあまり動じない人の方が向いているかもしれません。
知的な探究心がある人
知的な探究心がある人の方が海外営業に向いています。
と言うのも海外営業部にいるとなかなか顧客と直接会う機会が少なく製品・業界に関する知識がおろそかになってしまいがちです。
日頃から製品・業界に関して勉強しておかないといざ客先と打ち合わせをした時に何も交渉ができなくなってしまいます。
これは私自身にも当てはまっていて、日々製品知識を上げるために勉強しています。
また国によって貿易形態・国の風習が異なるのでそう言った事情を学ばなくてはいけません。
インドでは製品出荷において製品に対して銀行保証(Bank Guarantee)を注文価格の10%つけることが多いのですが、その件でトラブルとなってしまい営業の私がその件について現地の客先と交渉しなければならなくなったことがありました。
そのときは銀行保証の仕組みについて必死に勉強しました。
インドのそういった事情に関して精通していかないと交渉のテーブルに立つことができません。
これらの様に常に様々な事を学んでいくことが求められます。
まとめ
以上、海外営業部に向いている人についてお話をしました。
ただ私が述べた上記のことはあくまで理想論なので、上記のうち一つでも当てはまるものがあるのであればとりあえず海外営業部に志願しても問題ないのではと考えます。(もちろんある程度の語学力は求められますが)
基本的に語学力があり外国人と交流する事が好きなのであればおすすめな職種です。
以上、海外営業の仕事に興味のある方に参考になれば幸いです。
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