大学の4年間に英語の勉強に力を入れて来た方や、海外留学経験がある方の中には
「就職をする際は英語を活かした仕事をしたい!」と考え貿易事務を志望する方も多いと思います。
しかし実際貿易事務の仕事はどう言う仕事かわからないし、またどう言う場面で英語を使えたりするのか疑問思うこともあるかもしれません。
実際貿易事務の仕事は様々な場面で英語を使う機会があります。
私は物流業の会社に3年勤めたことがあり、メーカーの海外営業部に6年間勤めて仕事をしております。
どちらの職場でも営業の仕事をメインで行ってきましたが、メーカーにいた時は1年間貿易事務の仕事に従事したことがあります。
そして常に貿易事務の担当員と一緒に仕事をしているので仕事内容に関しては熟知していると考えております。
実際メーカーの貿易事務を例にしてどの場面で英語を使う機会があるのかについてお話をします。
メーカーの貿易事務の仕事内容
貿易事務の仕事内容は、事務作業の仕事が想定されますが、客先に寄り添い貿易に必要な手続きをすることがメインの仕事になってきます。
具体的には日本と海外の間で商品を輸出入する時の手続きに必要な書類の作成、案件管理、発注等の作業をします。
複数案件を同時並行でこなしていきます。
実際に海外の取引先とメールや電話で確認を取り合ったりするので、求人票を読むとTOEICのスコアで600点以上あることが望ましいと書かれていることも多いようです。
英文メールでのやり取り
貿易事務での仕事では海外の取引先と資料を送りあったり、意思疎通をする場面がたくさんあるので英文メールでやりとりする機会がたくさんあります。
具体的にはこう言った場面で英文メールのやり取りを行います。
- 海外取引先から注文書をメールで受け取り、その内容を確認して不明点がある場合はメールで確認
- 注文があった製品に関して納期が決まったのでメールで納期を通知
- 輸出に必要な書類ができたのでメールで書類を送付
上記のような定型的なメールのやり取りを普段から行いますが、
実際はイレギュラーな場面がたくさんあり、客先から納期に不満があったので、製造部や発注元に対して事情を説明してその結果をメールで連絡・交渉したり、
注文があった製品の中にはまだ見積ったことのない特注品が含まれていて、具体的にどう言う仕様が必要なのか客先に詳細をメールで聞いたり、
作成した輸出用の書類に不備があり、送り先、備考欄、製品明記の仕方などの様々な要求を聞いてそれを反映させた書類を再度作成してメールで提出したり
詳細な内容を確認するので、ある程度細かい説明を英文メールでできなければなりません。
ビジネス英語になるので、学生時代に英単語をたくさん覚えたことがあるのであれば、それをそのまま使うこともできますよ!
電話やオンライン会議での英語でのやり取り
電話やオンライン会議で英語のやり取りを行うことが多くあります。
電話でのやり取り
上記の通りメールで収まればよいのですが、やはり緊急時であったり、込み入った内容確認をする時は電話で意思疎通を図ることもたくさんあります。
例えば製品の出荷日が近づいているにも関わらず、輸出書類の確定ができていない場合は電話で詳細を詰めて書類の内容を確定させます。
私は貿易事務でインドを担当していたのですが、会社のスマホが支給されていたのでWhatsAppのアプリをダウンロードしてそのアプリで電話をしていました。
※WhatsApp を使用してビジネスをするのは賛否両論あり、顧客との距離が近くなる一方、終業時間外や土日にメッセージが頻繁に入るようにもなり、仕事と休みの区別がつかなくなる可能性がありアカウントをつくるかどうかは注意が必要です。
ただ電話だと後ほど「言った言ってない」のトラブルになることが多いので、決め事を証拠の書き物に残すためにメールで簡単な打ち合わせた内容(議事録)を送ることが多いです。
オンライン会議でのやり取り
取引先と確認事項が多い時はオンラインで会議を行います。
私が貿易事務でインドを担当していた時は、受注したオーダーの納期、出荷タイミングなどの状況確認のために毎週インド人担当者とオンライン会議を行っていました。
ここでは英会話の能力が試されます。
相手がインド人であったので私は最初は彼らが何を言っているのかちんぷんかんぷんでした。
今は若干聞き取れるようになりましたが…
担当する地域や取引先の特徴にもよるのですが、このように定期的なオンライン会議の機会があったりします。
海外出張の機会もある
貿易事務の場合は営業の人と比べて若干機会は少ないですが年に1度くらいの頻度で出張がある可能性があります。(会社の方針にもよります)
私が貿易事務としてインドを担当していた時はコロナウイルスがひどい時期だったので一切出張の機会はなかったのですが、
前任の担当者はインドの未回収案件を片付けるためであったり、出荷に関して詳細に打ち合わせをするために年に1回以上はインドに出張に行っていました。
やっぱり実際に現場を見たり担当者と顔を合わせることで、仕事において良い影響があったりするものです。
結構業務で込み入った確認が必要だったり、新しいプロジェクトが受注できそうで、ロジスティック(輸出入の手続き等)の面からも顧客にアプローチする必要がある時は、同行で出張に行くと言うイメージです。
貿易事務でも一切英語を使わないこともある
残念ながら貿易事務になったとしても一切英語を使わない担当になることもあります。
それは海外現地取引先の担当者が日本語を流暢に話せる場合です。
私の会社では中国と韓国を担当している人がそうなのですが、一切納期、出荷などのやり取りは日本語で行うので英語を使う機会が全くありません。
海外取引先以外は社内の製造部であったり国内の発注先とのやり取りがメインだったりするので、
その担当の期間は英語を活かす機会がほとんどありません。
貿易事務で英語を使うことを期待している方も多いと思いますが、そう言ったケースもあります。
しかし貿易を行う際の案件管理であったり、貿易に必要な書類を作成したりする流れは一緒なので、
経験を積むことでジョブローテーション(担当の配置換え)があったり、英語を活かすことができる別の貿易の仕事に転職することもできるかもしれません。
もし英語を活かすことができない担当になってしまってもまずは今後のキャリアを考え経験を積んで我慢するのも一つかなと思います。
まとめ
以上、貿易事務の仕事は英語を使うことができる環境なのかについてお話をしました。
貿易事務の仕事は英語を使う機会がたくさんあり、「語学を活かした仕事をしたい」と思っている方にはある程度最適な環境ではないかなと考えております。
貿易事務を志望されている方に参考になれば幸いです。
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