海外の取引先と売買契約を行う際、必ず出てくるのはインコタームズです。
インコタームズとは、商品を例えば私の会社の茨城県工場から中国の上海まで送る時にどの部分までの輸送が日本の会社の責任か、または上海側の会社の責任かを決める国際規則のことを言います。
今回は茨城県から中国の上海までの以下の道順で空輸便を使った場合を想定して紹介します。
茨城県の工場→成田空港付近倉庫→成田空港→税関への輸出通関申告→飛行機内→上海空港→上海空港付近倉庫→輸入通関の申告→上海客先住所
もし中国の取引先が上海空港到着から面倒を見るとなると、私たち日本の会社は運送業者に対してトラックの手配を行い航空輸送までを負担します。そして上海空港到着までの責任を負わないと行けません。
また上海の客先に商品を請求する場合は、上海空港到着までの運送費の見積もりに載せて請求します。
そして上海空港到着後は上海の取引先が手配する運送業者が運送を行います。
インコタームズはどこの時点からどこの時点までを売り手と買い手が負担するかを決める大事な貿易ルールとなります。
通常はインコタームズにおいて以下の以下の用語が使われます。
Ex-works→上海の会社が日本の茨城県からの運送をすべて責任持って運送業者に手配を依頼する場合の用語
FCA→日本の売り手は茨城県の工場から成田空港まで手配し通関申告を終えてから、残りは空輸も含め全て中国の取引先に運送手配を依頼する時の用語
CIP, CPT(Cで始まる用語)→日本の売り手は茨城県の工場から、成田空港までの運送、通関、空輸までを受け持ち、上海空港からは上海の取引先が運送の責任を負う時の用語
DDP→日本の売り手が茨城県の工場から上海の住所まで全て一括で運送を担当して、発生するすべての費用(中国の関税・消費税も含む)を支払う。
以上、貿易の基礎で重要なインコタームズについて紹介しました。
海外の取引先と売買を行う際は常識のルールとなります。
参考になれば幸いです。
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