私はメーカーの海外営業部に所属し日々インド人と取引を行なっています。
なかなか思い通りにいかないことが多く、さらに昨今の半導体不足の影響で製品の納期は遅れ、また急激な円安で原価が上がり製品の価格を上げないと行けない場面が出てきました。
そこでインド人と頻繁に守りの交渉をする様になり、その時に気をつけていた点に関して共有をしたいと思います。
相手からのUrgent (緊急)は挨拶程度に考える
中近東の地域で多いかもしれないですが、取引先の担当者はしきりにurgentという単語を使ってくるパターンです。
私も毎日インド人からのメールをたくさん受信しますがそのうち3件くらいはurgent と入っています。
すぐに返信ができるのであれば良いのですが、調べたり、他部署に確認しないといけないことの場合は時間がかかります。
そして日々様々な業務を行なっていく中でこのurgent に振り回されると、大切な事を見落としてしまう可能性があります。また下手したら疲れてしんどくなり、病気になってしまいます。
そもそも彼らが頻繁にurgentという言葉を使って来るのは、彼らの文化において他人を動かすにはそういう言葉を加えないといけない文化があるのだと考えます。
日本人同士で取引をするときは別に至急返事を下さいと言わなくても、だいたい1日以内(遅くとも数日以内)には何かしら返事はするものだと言う暗黙の了解があったりします。
しかし海外においてはその常識が通じません。そのため彼らは特に至急返事が必要でなくともurgent という枕言葉をつけて要求してくることが多いです。
urgent という言葉が来ても振り回されるのではなく、どっしり構えて、場合に応じてはちょっと時間がかかる、いつまでに解答が必要かなどとと確認することも必要です。
urgentという割にいつまでに回答が必要か聞くと1週間以内にくれと言われる場合もあります。(もはやurgentではない)
逆にこちらのお願い事はurgentと書く
彼らの多くは自分達に関心のあることしか聞いてきませんし、返事もなかなかしません。
何か取引先に対して要求がある場合は理由をつけていつまでに返事が欲しいと何度も催促する必要があります。
何とも自分勝手な!と思いますがどうしようもありません。
彼らと同じ手法でurgentをつけないと返事はなかなか来ないものです。
決め事は必ず書面で残す
彼らと口頭で打ち合わせをしたら要点だけでも必ず議事録を取ってメール等で送った方が良いです。
一言メールするだけでもだいぶ違います。
特に相手から譲歩をもらった、了承をもらったときは重要です。
日本でもそうですが、口約束の場合は必ず「言った言わない」の争いになってしまいます。
なおかつ外国語である英語を使ってやりとりをしているので、認識違いが多く発生してしまいます。
そして口約束だった事をいいことに、相手の良いように勝手に解釈されてしまいまうことが多いです。
日本のように常識の範囲での話し合いはされません。
打ち合わせをしたらお互いの認識を確認する意味も込めてメール等で書面に残した方が良いです。
相手は約束ごとを平気で破ってくることを念頭におく
打ち合わせ等で取り決めをしても、それを破ってゴリ押ししてくることが多いです。
製品の製造を中止したのでオーダーを中止した事を通知して了承をもらっても、それでもしばらくしたらその製品を発注してきます。
そういった争いで少しでも優位に立つためにも上記の通り書面に残しておくというのは極めて重要です。
こちらに有利な証拠があったとしても相手は認めてこないことが多いですが…
まとめ
以上、海外の人と取引する際気をつけるべき点について述べてきました。
海外の人と取引をして初めて日本のビジネスは成熟している事を実感します。
そして英語は第一言語でない私たちにとって書面で話した内容を残しておく事は重要です。
さもないと向こうは交渉のプロ(彼らは常に色々な事で交渉しています)のためこちらが不利になるように追い込んできます。
思い通りにいかないことが多く複雑な市場だとつくづく思います。
中近東地域を含め海外を担当してビジネスをする方、少しでも参考になれば幸いです。
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